11月14日（金）、冠稲荷神社ティアラグリーンパレス（大塚嘉崇氏／太田支部）を会場に「2025経営研究集会」が開催されました。当日は、ホスト支部を務める太田支部役員が揃いのジャンパーを着用しての設営サポート、太田支部会員有志が受付前に物販ブースを出展するなどして、約120名の参加者を出迎えました。
　基調報告の報告者には、今年度より神奈川同友会の代表理事を務めるニイガタ株式会社、代表取締役・渡辺學氏を迎え「経営者としての自覚と覚悟～リーダーの在り方が会社を成長から進化へ導く～」と題して報告いただきました。
　工業彫刻業としてスタートした家業からの脱却と事業承継、ワンマン経営の罠や組織変革のキーパーソンについてなど、同社の実践事例を交えて報告。さらに成長から進化へと導く未来への展望や自身の経営哲学を時間の許す限り紹介していきました。
　報告の最後に「小才は縁に出会いて縁に気づかず。中才は縁に気づいて縁を活かさず。大才は袖すりおうた縁をも活かす」と柳生一族の家訓をメッセージとして「縁に気付く感性を磨き、その縁を活かせる勇気を持つために、お互い学んでいきましょう」と訴えました。
　基調報告後のグループ討論では「経営者として、どのような自覚と覚悟を持ち、何を変えどう行動していきますか？」をテーマに意見交換。業種や企業規模の異なるメンバー同士が、それぞれに感じたことや考え方を交流し、明日へのヒントを持ち帰りました。
　参加者アンケートには「聞く力が試される報告。経営の本質に迫る質の高い内容だった」「組織が複雑・高度化する中で、指示するだけのボスではなく、共に育ち支えるリーダーへシフトする必要性を強く感じた」「自己確立＝自分を知る事、人生の目的を明確にすることが重要だと再認識した」「知行合一、自覚し覚悟を持って行動したい」などの感想が寄せられていました。

　富岡安中支部では、10月31日（金）、富岡地域づくりセンターを会場に支部例会を開催。Ｂｅｉｎｇ働き方Ｄｏｉｎｇ・代表、大石尚氏（同支部）が「信頼を生む関係づくりのヒント～コーチングスキルと聴く技術～」と題して報告しました。
　キャリアコンサルタントや産業カウンセラーといった複数の資格を活かし創業した大石氏は、ティーチングとコーチングの違いをインプットとアウトプットに置き換えて解説し「経営者が正しく理解し、目的や階層に合わせて使い分ける事が大切」と説明。また、ダニエル・キムの提唱する成功循環モデルを用いて、結果の質ではなく“関係の質”を起点に考えることで信頼関係の構築（グッドサイクル）に繋がることを、自身の豊富な経験と合わせて紹介しました。さらに、信頼関係をつくる上で重要な「聴く力」にも言及し、今より相手の話を聴けるようになるコツとして「急いで判断せずにいったん受け止めること、最後まで聴いてから自分の意見を伝えること、最後まで聞いて“私がどう感じたか”ではなく“相手はどう感じているか？”を意識してほしい」と訴えました。
　報告後のグループ討論では「私流の信頼関係の築き方は？」とのテーマで意見交換を行い、各社のコミュニケーションの現状や報告の感想などを話し合いました。
　参加者アンケートには「ティーチングとコーチングの整理ができた。意識して使い分けていきたい」「個別に学んでいた知識が体系的に繋がった」「信頼関係の築き方がロジカルに分かりやすく伝わってきた」等の感想が記されていました。

　富岡安中支部では、９月26日（金）、富岡地域づくりセンターを会場に支部例会を開催。㈱アイテクシステム・代表取締役、戸塚美秀氏（高崎支部）が「業績直結！分析数字の見方・勘どころ～自社の数字を分析してみよう～」と題して、財務分析を中心に報告を行いました。
　外部分析（顧客・商品分析）からの実績把握、内部分析（社員・設備）からの社員一人ひとりの人時生産性や労働分配率、分析から得た情報をもとに「財務・顧客・業務・人財」の４方向から見た目標設定まで、同社で行う分析手法と目標設定の方法を惜しげもなく公開した戸塚氏。「今日は数字に特化した目標設定。各個人の数字以外の目標にもしっかり目を向けて、楽しい会社にするために語り合ってほしい」と報告をまとめました。
参加者アンケートには「目標に対する利益の意識、社員との目線合わせなど組織的に取組む重要性」「全てを真似するのではなく、自社なりの最善な目標を立てたい」「自分がどれだけの利益を出せているのか改めて考えさせられた」等の感想が記されていました。